C値0.1以下の超高気密住宅(相当隙間面積)の造り方
実測値C値0.1(最高レベル)測定時の問題
気密測定を行った時に何回もエラーになってしまい測定不能になってしまった。隙間がありすぎるかまたは隙間が全く無いかのどちらかだろうと言う事で、試しに少し穴を開けて計測してみたところ、計測ができた。
穴の大きさを調整しながら何とかC値0.1の結果を出せたが実際は測定出来ない位に隙間が無いC値0.1以下の超高気密住宅と言う事が分かった。
C値0.1以下の超気密住宅の造り方
(実際の施工内容)
木構造工法の選択
もともと枠組壁工法を選定しているが、在来工法も枠組壁工法の様に面材で外部を全て覆う方法があるので違いが少なくなってきた。在来工法は金物が外部から内部へ貫通してしまう為に熱橋部分や貫通した穴の処理数が多い。枠組壁工法は釘やボルトが内部へ貫通しない事と元から外周全てを面材で覆う工法なので気密では全体的に有利になる
断熱工法の選択
床断熱よりも基礎断熱が気密には有利なので押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種にて基礎内断熱を選定した。端部や継手は全箇所現場発泡ウレタン処理する。
壁や屋根、セットバックバルコニー床等には現場吹付発泡ウレタンだが、階間天井裏外周部の根太部分全体にも施工し気密処理をする。
このことにより外部の気密テープと内部の発泡ウレタンで2重の気密処理となる
基礎と土台の気密処理方法
気密基礎パッキンを使用し土台継手は気密テープ処理、基礎外周の外側は基礎と土台の間にシーリング処理、内側の基礎と土台の間は現場発泡ウレタン処理する。この事により3重に気密処理している事になる
基礎の水抜き穴やセパレーター穴等外部から開いている穴は防水も兼ねて全てシール処理する。屋内側は押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種と発泡ウレタンにより気密処理するのでこちらも2重に気密処理している
壁構造用合板の気密処理方法
外壁の構造用合板の継手は縦も横も全箇所気密テープ貼り付けて全てローラーにて圧着する。
外部テープ処理不可の枠組壁と床合板の部分に屋内側からシール処理する。
サッシ部分の気密処理
サッシは浴室や洗面脱衣室、トイレ等設置不要な箇所には設置しない。YKK-ap APW330、331シリーズ、玄関ドアはべナートD2仕様
取付外部の左右上の3方は気密テープ処理、下部は先張り防水シートとビス穴部分にシール処理。屋内側左右上の3方発泡ウレタン処理、下部先張り防水シート部分とサッシの境にシール処理
気密測定時の換気ダクト、配管スリーブ等の目張り方法
ダクト等外部側は雨水が入り込まない様にふさがっていると思うが、屋内側にも養生テープでは無く気密テープにて目張りをする。この目張り不良のロスで気密性能がかなり変わってくるのではと思う。通信配線用の配管の目張りを忘れると性能低下してしまうので注意する。
排水管の通気等も注意する。
気密測定時にサッシや玄関ドアは目張りしない
数値を上げようとサッシの目張りをすると気密測定の意味が無くなってしまうので普通の状態で施錠するのみ。
スリーブ等配線配管等完了後に気密処理する
スリーブ等は配線配管完了後に発泡ウレタンやシール処理によりしっかりと気密処理する。エアコン配管部分は先行スリーブは必須。スリーブ内の気密はパテ処理を入念にお願いするしかないが、熱橋で結露しやすくなってしまうので理想は隙間を発泡ウレタンで埋めた後にパテ処理してもらいたいが問題が発生する程では無いのでエアコンの交換等利便性を考えると仕方が無い部分になってしまう。
以上
もともと枠組壁工法とAPW330+現場発泡ウレタンの組み合わせは何もしなくても気密性能はC値1.0程度にある程度は良くなるはず。気密性能C値0.1の為に特別にやったことは大した事は無いので誰でも簡単に出来るはずだが、実際にやれる人はなかなかいないのではと思う。世の中の気密測定がエラーばかりで問題にならないのだから。
超高気密住宅イメージ